【ネタバレ】映画『Red』のあらすじ解説!原作小説で描かれている映画とは異なる結末とは?

映画『Red』は、誰もが羨む暮らしをしながら誰にも打ち明けられない孤独と不満を募らせる人妻が秘密を抱える昔の恋人と再会して、運命が狂い始める大人向けのラブストーリー。

同名小説を実写化した映画『Red』は、ただの「不倫映画」という枠に収まらない、現代社会が抱える女性の立ち位置を見直すきっかけになったり、再会した元恋人の男の秘密が物語を大きく動かします。

この記事では、映画『Red』のネタバレを含むストーリーのあらすじを紹介したうえで、原作との違い、無料視聴する方法をお伝えします。

映画『Red』の作品概要 

作品概要は、以下のとおりです。

上映時間123分
制作年2020年
原作島本理生
制作会社『Red』製作委員会(日活=ポニーキャニオン=読売新聞社=日本出版販売=中央公論新社)
監督三島有紀子

映画『Red』の登場人物とキャスト

映画『Red』に登場するキャラクターと俳優は、以下のとおりです。

登場人物キャスト
村主塔子夏帆
鞍田秋妻夫木聡
小鷹淳柄本祐
村主真間宮祥太朗
ふみよ片岡礼子
睦夫酒向芳
村主麻山本郁子
村主宏浅野和之
緒方陽子余貴美子

映画『Red』のあらすじ 

画像参照:「シネマトゥデイ」公式YouTubeチャンネルから筆者キャプチャ

ここからは映画『Red』のあらすじをお伝えします。

ネタバレを含むため、未見の方は理解したうえでご覧ください。

映画『Red』のあらすじ:昔の恋人との再会

主人公・塔子は、夫と娘、夫の両親とともに豪邸の一軒家で何不自由ない暮らしをする主婦です。

夫・真は塔子を愛しているものの、塔子よりも母親の意見を尊重したり、自分の理想とする妻像を押し付けるなどしていて、塔子は静かに孤独感や不満を募らせていました。

ある日、真の仕事関係のパーティーに参加した塔子は、そこで10年前に別れた昔の恋人・鞍田と再会します。

鞍田は塔子が大学生時代に不倫関係にあった既婚男性で、現在は離婚しており、当時独身だった塔子が既婚者となっていました。

ふたりは人気のない一角で激しいキスを交わして、そのまま鞍田の車でパーティー会場を抜け出して海辺に向かいます。

塔子が結婚と出産をきっかけに仕事を辞めたことは後悔しているが、夫と娘がいる今の生活が幸せだと話すと、すべてを見透かしたように「変わってないな」と呟く鞍田。

数日後、鞍田が所属する設計会社の中途採用の募集要項に関する封筒が届き、塔子は真に話す前に面接を受けて合格します。

結婚記念日、真は塔子を喜ばせるために高級料亭を予約しますが、その食事の場で設計事務所ではたらくことを聞かされ、戸惑いと不満を露わにしつつも、渋々了承するのでした。

映画『Red』のあらすじ:鞍田の過去

久しぶりの出勤ではあるものの、設計事務所では積極的に自分の意見を出して仕事仲間に貢献する塔子は、あっという間に溶け込んでいき、久しぶりに充実した日々を送ります。

同僚・小鷹から好意を寄せられるようになり、徐々に深い仲になるふたり。

気を許した塔子は、大学生時代に鞍田の事務所でアシスタントをしていた過去を打ち明けると、勘の良い小鷹から「既婚者の鞍田さんと不倫してた」と言い当てられ驚きます。

女癖が悪い男として知られている小鷹から好意を寄せられていることに気づいていた鞍田は、すでに業務を多く抱えているにも関わらず、塔子にサポートを頼みます。

仕事のためにふたりで車移動をしている道中、鞍田はおもむろに塔子にキスをして、塔子もまたキスに答え、そのまま鞍田の家に向かうことに。

身体を重ねてたあと、塔子が離婚理由を問いただすと、4年前に悪性腫瘍を患ったことをきっかけにすべてを整理したことを明かしますが、完治したかどうかの質問には答えません。

映画『Red』のあらすじ:塔子の揺らぎ

契約社員として活躍する塔子は、あっという間に正社員として働き始めます。

しかし、仕事で忙しくなった塔子は家事や育児に手が回らなくなってしまい、娘・翠のお迎えが遅くなることが増えたある日、ジャンルグルジムから転倒して怪我をしてしまうトラブルに発展。

真は、母親になだめられながらも塔子を責めた挙句、2人目の子どもがほしいから仕事を辞めて欲しいと提案しますが、塔子にとって今の仕事は生き甲斐だったためすぐに決断できませんでした。

それからしばらくして鞍田からお気に入りの小説を持っておいて欲しいと言われ、遠くに行ってしまうような不安を感じた塔子は「もう会わない」と言い捨てて車を去ります。

正月、塔子の母親を招いて村主家で新年の挨拶をおこないますが、塔子の母は居心地を悪さを感じて、早々に帰宅することを決めます。

母親から「自分に嘘をつきながら生きて幸せ?」「人間、どれだけその人に惚れて死んでいけるかじゃないの?」と囁かれた塔子は、胸にチクリと痛みを感じつつ鞍田のことを思い浮かべるのでした。

年明け、鞍田は体調不良のため入院していることを聞かされ、鞍田のプロジェクトを塔子と小鷹が引き継ぐために新潟出張に向かいます。

出張先で元気のない塔子を見て、鞍田と塔子が別れたことを察して「離婚して鞍田さんと一緒になれば良い」と提案します。

塔子が反対すると、「鞍田さんと塔子は似てる。一緒にいてもひとりでいるような感じ。」とふたりが抱える共通の孤独を指摘するのでした。

映画『Red』のあらすじ

仕事を終えたものの、大雪に見舞われて帰路を断たれた塔子と小鷹。

真に電話をかけるとタクシーを使って帰ってくるように言われてしまい、ベビーシッターを頼むと提案すると、「塔子の1番の仕事は母親であることだ」と罵られてしまうのでした。

さらに、浮気に薄々気づいていた真は、クリスマスの夜に何をしていたか問いただし、塔子は「帰ればいいんでしょ」と逆ギレをし、小鷹の警告を無視して真っ暗の雪道を歩き始めます。

先の見えない雪道を歩いていると、そこには車から降りてくる鞍田がいて「帰ろう」と塔子を迎えます。

明らかに体調が悪そうな鞍田は、途中で立ち寄った食事処で吐血してしまい、これ以上先に進むことはできないと判断した塔子がホテルで休もうと提案。

その日のうちに帰れないことが決まった塔子は、真に電話をして話しをして、結婚が何か問いただし「生涯でただ一人好きになった女性と一緒になったこと」と聞いて、電話ボックスに指輪を置いてその場を離れます。

鞍田は塔子のことをずっと探し続けていたことを打ち明け、塔子は「一緒に生きていきたい」と涙ながらに本音をぶつけて、ふたりはかすかに残った力を振り絞って身体を重ねます。

それからしばらくして鞍田は亡くなり、静かに墓参りをする塔子の背中を見て「一緒に帰ろう」と涙を流す翠の手を振り切って、一人で歩き出すのでした。

映画『Red』と原作小説では結末が異なる?

塔子が最後に選んだ夫と娘のもとに戻らない決断は、残酷で衝撃を受けた方も多いでしょう。

映画では序盤のうちに鞍田の病気が明かされていますが、原作小説では体調が悪い描写はあるものの、最後の方まで悪性腫瘍を患っていることは明かされません。

そのため、塔子が「離婚しようと思う」と話したときに、不倫関係を築いていながらも「離婚をしない方が良い」とクズ男のような発言をして塔子を困惑させるのでした。

しかし出張先に迎えに来たとき、体調が悪そうな様子のうえ、同僚の女性から「鞍田のガンが再発して入院する」という旨のメールをもらい、すべての状況を把握します。

ずっと昔から塔子を愛していて、最後に塔子を抱きたいという思いがあり、お互いが深く愛し合ってきたことに気づいた塔子は、最後に鞍田と身体を重ねることにするのでした。

映画『Red』ではこのあと、鞍田が亡くなり、塔子は夫と娘のもとに戻らなかった描写がありますが、原作小説ではさらに続きのストーリーが綴られています。

原作小説で綴られる塔子のその後

原作小説では、出張からその日のうちに帰宅しなかった塔子に対して真が不機嫌な態度を取ります。

昨日、鞍田と愛し合っていることを確認した塔子は我慢の限界になり、真の理想の妻で居続けることができないこと、母親の意見ばかりを尊重することなど不満を爆発させて、翠を連れて家を出ていくことに。

入院中の鞍田が所有する別荘に行き、電話越しにふたりが一緒に生きていく方法がないかと問います。

しかし鞍田は自分の命が長くないこと、塔子と翠を支えることができないことを理解しており、遠回しに愛している気持ちを伝えて終わります。

塔子と翠が帰宅すると、冷静になった真から両親との同居をやめて「3人で暮らそう」と提案され、塔子はやっと自分の気持ちが理解してもらえたと思い安堵します。

しかし束の間、母親からあっさりと説得されてしまい、心がぽっきりと折れた塔子はそのまま家を飛び出し、鞍田のもとにもいかず、駅のホームを歩きながら物語は終わります。

原作小説『Red』のエピローグで明かされたその後

エピローグでは、翠視点で十数年後の未来が綴られていました。

翠は2歳から中学生か高校生に成長しており、塔子と真は離婚することなく両親との同居を解消して3人でマンション生活を送っているものの、どこか思い詰めた様子をしています。

朧げながらに2歳の記憶が残っていた翠は、鞍田と過ごした短い期間があり、真が本当の父親ではないのではないかと疑っているものの、誰にも話せずにいたのです。

エピローグ後半は場面が変わり、塔子が真のもとを飛び出して半年後、いつ離婚してもおかしくないような夫婦関係の中、翠を連れて鞍田に会いに行きました。

鞍田は治療を終えて危機的状況から退院して、鎌倉で生活をしながら、たびたび塔子と翠と会っていて、翠も当たり前のように鞍田に懐いていました。

昼食の話になったとき、翠が「美味しいもののお店にはパパも来る?翠ちゃんはパパとママで行きたい。」と言い出した瞬間、何かが崩れるような音を察知したものの、塔子と鞍田は何事もないように会話を続けます。

そして、いつものように「じゃあ、ここで」と翠を抱いて挨拶をする塔子に「また」と強くいう鞍田の姿を見て、塔子はすべてが終わったことを感じ取り、涙を流します。

振り返れば鞍田が見つめていることも、戻ってきてほしいという目をしていることもすべてわかったうえで、翠を抱えて歩き続けてエピローグの幕を閉じるのでした。

映画『Red』はどこで見れる?

画像参照:「シネマトゥデイ」公式YouTubeチャンネルから筆者キャプチャ

映画『Red』の配信状況をリサーチした結果が、以下のとおりです。

アプリ名映画『Red』の配信状況
U-NEXT
Netflix
Amazonプライムビデオ×
Hulu×
FODプレミアム×
Rakuten TV×
クランクイン!ビデオ×
DMM TV×
TELASA×
dアニメストア×
Disney+×
※◎→配信あり(無料)、△→配信あり(課金)、×配信なし

映画『Red』を取り扱っている動画配信サービスは、「U-NEXT」と「Netflix」のみと限られていますが、U-NEXTの無料トライアルを利用すればフル動画が無料視聴できます。

映画『Red』を無料視聴する方法は、「映画『Red』が無料で見れるおすすめアプリ!作品概要とおすすめポイントを紹介!」で詳しく解説しています。

まとめ

この記事では、映画『Red』のネタバレを含むあらすじ、原作小説で綴られている結末について解説しました。

映画『Red』のクライマックスは、鞍田が亡くなり、塔子は真と翠のもとに戻らない衝撃的な決断をしますが、原作小説では違ったクライマックスを迎えていました。

とくに原作小説のエピローグでは、本編で2歳児の翠視点でストーリーが綴られており、事情を抱えた大人たちの問題によって子どもが密かに翻弄されている事実に心が痛む方も多いでしょう。

また、原作小説で綴られている塔子と鞍田の別れのシーンも言葉にならない痛みを感じます。

映画と原作小説は、それぞれ異なる魅力があるので両方チェックしてみてください。

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